洗浄後の乾燥法の違いによる手の細菌除去効率
2005年3月 Infection Control and Hospital Epidemiology の論文掲載の中で、山本恭子医師は洗浄後の乾燥法の違いによる手の細菌除去効率:「ペーパータオル乾燥と温風乾燥の比較」の検討をしました。その論文の要約をご紹介します。
論文の中で、温風乾燥器には、株式会社 エム・ケイ社の自動手指熱風殺菌乾燥器クリアレディを使用しています。Dr.山本恭子氏の論文の詳細をご希望の方には、原文(英語)を日本語翻訳して提供します(原文の要旨は、別刷を用意いたします)。
ペーパータオル乾燥と熱風乾燥の比較(要約)
目的
洗浄した手の乾燥および細菌除去について、温風乾燥器をペーパータオル乾燥の効果と比較検討する。
方法
無作為に選んだ手、合計30を対象として非抗菌石けん(※1)による手の洗浄後
- 手を擦りながらの温風乾燥および手を静止しての温風乾燥
- 上記方法で紫外線の有無と温風乾燥
- ペーパータオルによる乾燥
結果
1.温風乾燥
- 紫外線照射の有無に関わらず
手で擦りながら15秒間の温風乾燥で、手掌と手指の生菌数は(P<0.001)増加した。 - 紫外線殺菌をおこなわない場合
温風乾燥を30秒おこなっても、乾燥前より多くの細菌が残存した。 - 手を擦らないで静止した場合
紫外線照射の有無に関わらず、手掌、手指および指先の生菌数は有意に減少した。
2.紫外線照射下で温風乾燥をした場合
紫外線照射下で温風乾燥をした場合、手掌や手指いずれにも細菌はほとんど認められなかった。
3.ペーパータオルによる乾燥
一枚づつ3回払拭式乾燥を行っても、手掌や手指の生菌数は減少しなかったが、指先については、一回の払拭式乾燥でも有意に減少した。
(※1)非抗菌石けん:石けんとは洗浄剤を主剤とする製品で、エステル脂肪酸と水酸化ナトリウムもしくは水酸化カルシウムを含むものを指す(汚れ、汚物、種々の有機物を手から除去する)
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